マスターRoom
印度放浪
2010年10月16日
ふらっと入った岡崎イオンのヴィレッジヴァンガードで藤原新也の印度放浪という本を買った。
単行本で分厚い本だだけど半分近くは写真で読みやすい。その写真もとてもイイ。
昔行ったインドを思い出した。
この本は藤原新也の1972年の処女作を1993年に再発したもののようで
冒頭に語録が追加されていて、それには、15年ぶりにこの旅をふりかえる著者が「なぜインドに行ったのか」と質問する若者に対して、
「負けに行ったんじゃないかな?…汚物に負け、花に負け、水に負け…時間に負け…」と自白してしまった…
というようなことが書かれていた。
25年前、僕も約2ケ月間、印度放浪をして、それを振り返ってみると
そうだ「負けた。」…言えてる。納得。
恐らく初めてのインドでは誰もが経験するだろう”負け”。
インドに着くなり、小遣い稼ぎの荷物持ちの子どもに負け、群がる乞食たちに大敗し、街の商人にぼられ負け、食べ物に負け、精神的にも肉体的にも一度は打ちのめされる。初めてのインドの街は、乞食や牛やゴミや極度に汚れた水たまり、しつこい物売りや、やたら声をかけてくる詐欺師?たち…
まるで覚めない悪夢のようだ…
もし1週間の貧乏旅行ならボロ負けで終わり。
インド放浪はある程度長い期間が必要だ。
立ち直る時間がいるわけなので。
でも大体は1〜2週間程度で心も身体もその土地にある程度順応する。
やっとそこからが本当の楽しい旅の始まりということになるわけだ。
悪夢から覚めたインドは、実はおとぎの国だった。楽しさ満載。
「人間は犬に食われるほど自由だ」…これは藤原新也が言った一節。
ベナレスでガンジス川の中洲に流れついた水葬された死体を犬が食う様子をこう表現した。
この様子を実際自分の目では見てないけれど、僕がベナレスで感じたのは、
ベナレスという場所は、命に対して究極的に寛容な場所というか、
この世とあの世の中間にあるような場所だという感じだった。
25年前、インドでボロ負けし、なんとか立ち直り旅を続けた。
あの負けの経験は今も生きていると思う。
もし今後路上生活者になったとしても、
インドでのそれと比べれば、超安全で超清潔!、前向きに生きていけそう…。
…こういう生かし方にならないようにしたいものだけど。
でも、どう役立ったかはわからないが、なんとなく気楽に生きられる基本にはなっているような気がする。
たまにインドの旅を思い出すのは、精神的に良い効果があるので、この本は役に立つのだ。
で、いつかきっと、またインドへ旅をするぞ、と想いを募らせ、次は過酷な貧乏旅行でなく、大名旅行じゃ!とニヤけるのだ。
それでいいのだ。
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